逃走

タイムスコープが示したその「時」は、凄まじい大地の揺れをきっかけにやってきた。

培養システムは破壊され、ゆりかごの中で成長を続けていた未成熟スポットは外気に晒された。
シャボンは破壊された培養システムに近づくのに数日を要した。

数日間外気に晒され続けた未成熟スポットの進化は不安定かつ急激に加速し始めていた。
母のごときゆりかごを失った未成熟スポットは外気から伝達されてくる、地球上のあらゆる状況(情報)を吸収し自ら進化の方向を探し始めた。

まだ「完全体」への道が閉ざされたわけではないが、
この状態では進化の方向が「不完全」に進んでしまうとシャボンは考えた。

現時点で解決策は見当たらない。
しかし、最悪の状況を脱するため、シャボンは暴走しかかった未成熟スポットを持ち去ることにした。

<培養システム

リテイフルム>